冬季の急性腰痛(ぎっくり腰)と腰臀部痛|寒冷環境下における筋・筋膜性疼痛のメカニズムとリスク管理
欧米で「魔女の一撃」と形容される急性腰痛症(ぎっくり腰)。 また、冬季になると急増する「殿部(お尻)の奥から下肢にかけての鈍痛や痺れ」。
これらの症状は、気温低下に伴う生理学的な身体反応と、動作パターンの変化が複雑に関与して発症します。
奈良市・西ノ京の整体院「ほぐし屋ごく楽」では、これらの症状に対し、単なる筋肉の疲労としてではなく、**「筋虚血(きんきょけつ)」や「神経絞扼(しんけいこうやく)」**といった医学的観点から評価し、根本的な改善を目指しています。
今回は、冬に多発する腰臀部トラブルの原因と、柔道整復師が推奨するリスク管理について解説します。
1. 冬季に腰臀部痛・ぎっくり腰が急増する生理学的背景
寒冷環境は、以下のプロセスを経て腰部・殿部の機能不全を引き起こします。
① 血管収縮による「筋虚血」と疼痛サイクル
寒冷刺激により交感神経が優位になると、末梢血管が収縮し、筋肉への血流が低下します。 腰部を支える脊柱起立筋や多裂筋が酸素欠乏(虚血)状態になると、ブラジキニンなどの発痛物質が産生されやすくなります。さらに、虚血した筋肉はATP(エネルギー源)不足により収縮不全(スパズム)を起こし、柔軟性を喪失します。これが、些細な動作で筋繊維が損傷する「ぎっくり腰」の温床となります。
② 梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)の好発
「お尻の奥が痛い」「坐骨神経痛のような痺れがある」という場合、殿部深層にある梨状筋の拘縮が疑われます。 寒さや長時間の座位姿勢により梨状筋が硬化・肥大すると、その直下を走行する坐骨神経を物理的に圧迫(絞扼)してしまいます。これは腰椎椎間板ヘルニアと混同されやすいですが、筋肉由来の神経症状(絞扼性神経障害)であり、冬場に特に悪化する傾向があります。
③ 内臓体性反射による筋緊張
内臓と筋肉は、自律神経を介して相互に影響し合っています。 冬季の冷えによる腎機能の低下や、暴飲暴食による胃腸の疲弊は、自律神経反射(内臓体性反射)を介して、関連する腰部の深層筋(大腰筋など)の過緊張を誘発します。
2. 「魔女の一撃」を回避するリスク管理(予防策)
急性腰痛の発症リスクを下げるためには、生体力学(バイオメカニクス)に基づいた身体操作が重要です。
① モーニングスティフネス(朝のこわばり)への対処
起床直後は、椎間板の水分量が増加して内圧が高まっており、かつ筋肉の温度が低いため、最も受傷リスクが高い時間帯です。
- 対策: 起床前に布団の中で膝を抱えるなどの軽微なストレッチを行い、筋温を上昇させてから活動を開始してください。起き上がる際は必ず側臥位(横向き)を経由し、腰椎への屈曲・回旋ストレスを避けてください。
② ヒップヒンジ(股関節蝶番運動)の習得
洗顔や荷物の挙上時に腰を痛める原因の多くは、腰椎を過度に屈曲させる動作にあります。
- 対策: 股関節を蝶番(ヒンジ)のように使い、臀部を後方へ突き出す動作(ヒップヒンジ)を意識してください。腰椎の生理的前弯を保ったまま、大殿筋やハムストリングスの張力を利用して動作を行うことで、腰部への剪断力を大幅に軽減できます。
③ 仙骨部への温熱療法
骨盤の中央にある仙骨周辺には、副交感神経の線維が含まれています。
- 対策: 仙骨部をカイロなどで保温することで、骨盤内臓器の血流を改善すると同時に、自律神経のバランスを整え、筋緊張の緩和を促します。
3. 当院における専門的アプローチ
「ほぐし屋ごく楽」では、画像診断では捉えきれない筋肉や筋膜のトラブルに対し、徒手療法でアプローチします。
- 深層外旋六筋(梨状筋など)へのリリース 殿部深層にあり、坐骨神経を絞扼している梨状筋などの癒着を、解剖学的知見に基づき的確にリリース(解放)します。
- 大腰筋・腸骨筋へのアプローチ 腰痛の隠れた原因となりやすい、腹部深層の**腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)**の短縮を改善し、腰椎の正常なカーブと骨盤の可動性を取り戻します。
- 運動連鎖の適正化 腰部局所だけでなく、股関節や胸椎の可動域を評価し、腰椎に過剰な負担がかからない身体の使い方(運動連鎖)を指導します。
まとめ
冬季の腰臀部痛やぎっくり腰は、寒冷刺激による**「筋虚血」や「神経の絞扼」**が主な原因です。 発症前の違和感(予兆)を見逃さず、早期に筋肉のコンディションを整えることが、重症化を防ぐ鍵となります。
「毎年冬になると腰が痛む」「お尻の痺れが取れない」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
ご予約・料金のご案内
国家資格を持つ柔道整復師が、医学的根拠に基づいた施術と生活指導を行います。

630-8032

